大学中退のその後の生き方は?主な進路やおすすめの職種を解説
大学を中退したその後、どのようなキャリアパスを選ぶべきか悩む方は多いのではないでしょうか?
確かに、大学中退者は就職活動やその後の生き方に苦労するケースも考えられます。
しかし、それは正社員としての道が完全に閉ざされているわけではありません。
この記事では、大学中退者のその後の進路選択肢と、成功への道筋を解説します。
もし、大学を中退してしまった方、あるいはこれから中退を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
大学中退したその後の進路10選
大学中退したその後、どのような進路をたどるケースが多いのでしょうか。
何らかの明確な目的があって大学を中退した場合、その後の進路も定まりやすいですが、これといった理由もないまま大学中退した場合は、その後の人生にも大きな影響を与えかねません。
まずは一般的に多く見られるケースをチェックして、大まかな傾向を掴みましょう。
この記事では大学中退したその後の進路として多いものを、以下に10項目まとめました。
- 正社員として就職する
- 他の大学へ編入する
- 別の大学へ入学する
- 起業する
- 公務員に挑戦する
- フリーターになる
- 何らかの資格を取得する
- 海外留学する
- 自分探しの旅に出る
- ニートになる
①正社員として就職する
正社員としての就職は、多くの人々にとっての理想的な形態です。
正社員の魅力は、なんといっても収入と待遇の安定性にあります。
月々の収入はもちろん、社会保険や福利厚生、休暇制度などの利点があるのは正社員の特権です。
派遣社員や契約社員と違い、定年まで雇用が続く点も見逃せません。
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 大学等中退者の就労と意識に関する研究
しかし、大学を中退したり、途中で学業を止めた場合、学歴のハンディキャップが働く場面で出てくる恐れも想定されます。
大学を卒業した者と比べると、採用の際に収入面での差がつくケースも考えるべきです。
しかし、こうしたハンディキャップは絶対ではありません。
実務経験やスキル、人間力は、学歴を上回る価値を持つケースも多々あります。
大学中退した経験や学歴にコンプレックスを持つ方々も、自身の持つ能力や経験をしっかりとアピールすることで、正社員としての道が開かれる場合も少なくありません。
また、人材の多様性を重視する動きが強まってるなか、学歴だけでなく、実力主義を採用基準とする企業も増えてきています。
②他の大学へ編入する
大学生活を途中で断念すると、その後の人生に多くの選択肢が広がります。
なかでも他の大学への編入は、多くの学生が考慮する選択肢です。
編入学を選ぶ最大のメリットは、これまでの大学生活で獲得した単位を活かしつつ、新しい環境での学びを経験できる点にあります。
編入を選択する理由は人それぞれです。
新しい専攻に興味を持った、元の大学の環境に馴染めなかった、地域を変えて生活したいなど、多岐にわたります。
編入先の大学での学びは、既に取得した知識や経験を生かしつつ、新しい学問や研究、さらには人間関係の構築などが求められます。
こうした新しい環境での学びには、意識的な取り組みが不可欠です。
自分自身が求める学びや環境を明確にし、それに見合った大学や学部の選択が、編入生としての充実した大学生活を送るための第一歩となります。
編入試験は、一般的な大学入試とは異なる特性を持つため、事前の情報収集や準備が重要です。
編入後の大学生活は、新しい環境での適応能力やコミュニケーション能力が問われる場面も少なくありません。
しかし、これまでの経験を生かし、新しい場所での学びを深めることで、より豊かな人生を築構築できる可能性があります。。
④起業する
現代社会において、自らの手でビジネスを立ち上げる起業は、多くの人々にとって魅力的な選択肢となっています。
特に、フリーランスや独立した仕事を経験してきた人にとっては、その経験やネットワークを生かし、自身のビジョンを具現化する方法として起業を選ぶケースが考えられます。
起業の魅力は、自らのアイデアやビジョンを形にできる点です。
一方で、ビジネスの運営には多くのリスクが伴います。
成功のためには、市場のニーズを正確に捉える洞察力や、事業計画の策定、さらには資金繰りなどの経営ノウハウが不可欠です。
また、起業においては、持続的な情熱やエネルギー、そして冒険心が必要で。それら全てを背負いながらも、計画的に事業を進める姿勢が求められます。
資金調達や人材の確保、さらにはビジネスの拡大戦略など、多くの課題に対応しながら、持続的な成長を目指す心構えが大切です。
⑤公務員に挑戦する
公務員としてのキャリアは、多くの人々にとって魅力的な選択となっています。
特に、公務員試験は学歴を問わずに、あらゆる背景を持つ人々が同じスタートラインで挑戦できる、フラットな環境となっています。
これは、公的機関が幅広い才能や経験を持つ人材を求めている点を示すものであり、一貫して公平な評価基準が設けられているからです。
安定した収入と待遇、さらには地域社会に貢献する仕事という側面にも魅力があります。
一方で、公務員試験は非常に競争率が高く、合格を目指すためには、しっかりとした対策と継続的な努力が必要です。
具体的な試験内容や勉強法を知ることで、効率的に準備を進めることができます。
また、公務員としての仕事は、専門性や多様性を求められる職種も多いため、自らの興味や強みを生かしてキャリアを築きやすいです。
このような環境は、自身の成長やキャリア形成にとっても価値があります。
⑥フリーターになる
フリーターとしての生活は、短期間の仕事や様々な業界・職種での経験を積めるメリットがあります。
自らの興味や適性を探る機会をもてるため、大学中退のその後の進路として多いです。
また、自分のペースで仕事を選べるので、プライベートの時間を大切にしたいという人々には適しています。
しかし、長期にわたるフリーター生活は、将来的なキャリア設計や収入の安定性を考慮すると、注意が必要です。
特に、一定の職歴やスキルを持たないまま時間が経過すると、就職活動が難しくなる場合があります。
そのため、フリーターとしての活動を選択する際は、中長期的な計画や目標を持ち、計画的な活動が重要となります。
自らの将来像を明確にすることで、フリーターとしての経験もキャリアの一部として位置付けやすくなります。
関連記事:フリーターから正社員は難しい?おすすめの職種7つも紹介!
➆何らかの資格を取得する
資格は、多くの人々にとってキャリアを築くための重要なステップです。
資格は、専門知識の証明であり、就職や昇進の道を拓く手段として役立ちます。
求人情報を見ると、特定の資格保有を条件としているものも多いです。
これは、企業や組織が専門家を求めていることの現れであり、資格を取得することでその専門家の一人として認知されます。
資格取得は、自らの能力や知識を試す絶好の機会ですが、難易度の高い資格の場合、取得は容易ではないため、しっかりとした学習と対策が求められます。
しかし、資格を持つことで得られるメリットを考えると、資格勉強は自分への投資として有益です。
⑧海外留学する
海外留学は、学問を追求するだけでなく、自らを成長させるための大きなステップです。
留学することで、自国の文化や価値観とは異なる新しい視点に触れることができ、それは大きな刺激となります。
新しい視点は、将来のキャリアや日常生活においても価値のあるものとして活かされることとなります。
留学の過程では、様々な課題に直面することが予想されます。
異なる言語、文化、慣習などに順応することは容易ではありません。
しかし、これらの課題を乗り越えることで、自分自身の成長を実感することができます。
また、留学中に築いた国際的な人脈は、帰国後のビジネスや学問の場においても重宝されやすいです。
⑨自分探しの旅に出る
自分を見つめ直すための旅は、人生の中で特別な時間を持つことができる絶好の機会です。
日常の生活や環境から離れることで、自分の価値観や思考のパターンに気づけます。
新しい場所、新しい文化、そして新しい人々との出会いは、これまでの自分の考えや行動を振り返る契機となります。
旅先でのさまざまな経験が新しい視点や感覚をもたらし、それが自己の再発見や新しい夢、目標の発見に繋がるケースも珍しくありません。
また、自分にとって何が本当に大切で、何を求めているのかを明確にする手助けとなります。
短期間の休暇から長期にわたる冒険まで、方法は人それぞれですが、旅の過程で得られる自分と向き合う時間は、日常生活では得られないものです。
⑩ニートになる
社会から一時的に距離を置くことも、人生の選択肢の一つです。
ニートという状態は、日常の忙しさや社会的なプレッシャーから解放され、自分自身と向き合う時間を持てます。
その期間中には、読書や学習、趣味に没頭する時間が増え、新しい自分を発見する場合もあります。
しかし、この選択には注意が必要です。
長期間社会との接触を避けることで、社会復帰が難しくなる可能性も考えられます。
また、自己のスキルや知識が時代とともに陳腐化するリスクも無視できません。
そのため、ニートとしての生活を選択する際は、自分の状態や未来についてしっかりと考える必要があります。
定期的な自己評価や計画の見直しを行いながら、次のステップに向けてのアクションを考慮することが重要です。
あらかじめ目標を定め、期間内に絶対にニートを終える覚悟がなければ、大学中退したその後にニートになるのはおすすめできません。
大学中退を決意した理由6選
大学中退を決意した背景には、どのような理由があるのでしょうか?
文部科学省が公表した「学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査(令和3年度末時点)」によれば、令和3年度における大学の中退者は約57,900人で、これは全学生数の約2%に当たります。
出典:文部科学省 学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査
中退の背後にある主な理由として、「転学等」が約16.5%と最も多く、それに続いて「学生生活不適応・修学意欲低下」が約16.0%です。
さらに、これらの理由の後には「就職・起業等」や「経済的困窮」などが挙げられます。
ここでは、これら主要な中退理由を中心に、内情を詳しく解説します。
①転学
大学生活は、多くの学生にとって新しい挑戦の舞台となります。
彼らは新鮮な気持ちでキャンパスに足を踏み入れ、さまざまな学問に触れていく希望や期待、夢などで胸がいっぱいです。
しかし、この新しい旅の途中で、期待と現実が合わないと明らかになる場合があります。
特に、自ら選んだ専攻や学問が想像していたものと異なり、初めての挫折感を味わう学生も少なくありません。
こういった経験をした学生の中には、転学を考える人が増えています。
編入試験を受験し、別の大学や学部、学科に移る道を選ぶ人、専門学校で新たな技術や知識を身につけるために再入学する人、そして一度大学をやめて再受験するという選択をする人など、動機はさまざまです。
それぞれの選択背景には、再受験を希望する理由や、新たに興味を抱いた学問への関心、さらには現在の学問との間に生じたギャップが影響しています。
②学生生活不適応・修学意欲低下
大学は多くの人々にとって、自由で開かれた空間です。
ここでは、自らの意志で学び、友人を作り、多様な経験を積むことが期待されます。
しかし、この自由度の高さが、ある種の圧迫感をもたらすケースがあるのも事実です。
友人関係の形成に手間取ったり、時間の使い方に迷ったりすることで、孤独感や意欲の低下を感じる学生も増えています。
専攻の選択や授業内容に関しても、学生たちにはさまざまな課題があります。
選んだ学問との間に乖離を感じること、授業内容が難解で理解が進まないこと、これらの要因が積み重なると、中退を真剣に考える学生も少なくありません。
こういった学生たちをサポートするためには、大学側の取り組みが不可欠です。
カウンセリングの提供や、専門家によるガイダンス、学習支援の強化など、多角的な支援策を検討・実施が求められます。
③経済的な理由
大学生活を送る学生たちにとって、経済的な負担は重いものとなります。
学費はもちろんのこと、日常生活の中での支出や必要な教材の購入など、さまざまな経済的な要因が学生たちの背に積み重なっていきます。
特に、学費の支払いは多くの家庭にとって大きな負担となり、その支払いに伴う困難さは、学生の生活に影を落とす場合もしばしばです。
例えば、家族の経済状況が変わった場合、突然の失業やリストラ、事業の失敗など、予期せぬ出来事が家庭の収入を減少させる恐れがあります。
また、学生自身がアルバイトを通じて学費や生活費を捻出している場合、収入が途絶えるリスクも見逃せません。
家庭の事情、例えば妊娠や結婚、家族の介護など、さまざまな私的な要因が学生の経済状況に影響を及ぼすケースも多いです。
このような経済的困難を抱える学生たちをサポートするための制度の整備は必須といえます。
奨学金制度の充実や学費の減免など、経済的サポートの充実が望まれます。
④精神的な理由
大学生活は、新たな環境や人間関係の形成、そして学問への挑戦といった多くの要因が絡み合っており、これらが学生の精神的な負担となるケースも考えられます。
特に、試験や発表などのプレッシャーは、学生たちのストレスになりやすいです。
うつ病や不安障害といった精神的な疾患を抱える学生は、このようなプレッシャーやストレスによってさらなる心の負担を感じ、大学生活の中での適応や関係形成が難しくなるケースも珍しくありません。
そのため、大学側からの適切なケアやサポートは必須となります。
カウンセリングや心の健康に関する教育、そして学生同士のコミュニケーションの場の提供など、多方面からのサポートが求められている状況です。
⑤就職や起業
大学生活を送る中で、多くの学生が将来に向けての夢や志向を持ちます。
そのなかで、学業を深めることよりも、実際の仕事の世界に足を踏み入れたいと考える学生も少なくありません。
特に、アルバイトやインターンシップを通じて、自分の能力や魅力を実感する経験をすると、ビジネスのフィールドに更なる興味を抱く場合があります。
一方で、仲間たちとの繋がりや共通のビジョンを共有する中で、新しい事業のアイディアを思いつくケースも多いです。
このようなビジョンや夢を実現させるため、学業を一時休止し、起業の道を選ぶ学生もいます。
しかし、事業の成功は約束されていないため、大学中退には慎重な検討と計画が必要となります。
支援体制やリスク管理の方法、さらにはビジネスの基礎知識の習得が必須です。
⑥他にやりたいことが見つかった
大学での勉強以外になんらかの意義ややりがいを見出し、大学中退を決意する人もいます。
多様な経験や人々との交流を通じて、大学生活は多くの学生に新しい発見や視点をもたらします。
こうした新たな発見は、学生の人生の方向性を変える要因となるケースもしばしばです。
中退や転学といった選択が、ネガティブな背景だけから生まれるものではありません。
新しい興味や情熱を追求するためのステップとして、大学中退を選択する人は多いです。
例えば、アートや文化、スポーツなど、学外での活動を通じて新しい才能や興味を発見するケースも考えられます。
そのような選択が、学生にとっての自己成長や新たな人生の道として開かれる場合、大学中退はネガティブどころか、大変価値あるものといえます。
それぞれの学生が自分の人生の主役として、自らの選択を尊重し、社会全体の多様性や活力となりやすいです。
大学中退をするメリット5選
大学中退ときくと、ネガティブなイメージを持つ人も少なからずいます。
「親が出してくれた学費を無駄にした」「学業を途中で投げ出した」など、大学中退したその後に良くない印象を持たれがちです。
しかし、実際には大学中退で得られるメリットもあります。
今回は特に注目したいメリットを、以下に5つ厳選しました。
- 自分のやりたいことに打ち込める
- 環境をリセットできる
- 授業料を払う必要がなくなる
- 社会人経験を早く積める
- 人生を見つめ直すきっかけが作れる
①自分のやりたいことに打ち込める
大学生活は多忙な日々となりがちで、自分のやりたいことだけに打ち込むのが難しいです。
学業に加え、部活動や友人との交流、アルバイトなど、一日の中でさまざまな活動をこなさなければなりません。
このような日常の中で、自分のやりたいことや、追い求める夢、目標を持つのは難しいです。
こうした環境では、一部の学生が大学を中退する理由として、自分の真の目的や夢に専念したいという理由を挙げます。
中退という選択をすることで、他の多くの学生とは異なる道を選び、真の目的や夢に向かって、集中的に取り組む時間を確保できます。
例えば、特定の分野への研究や探究などです。
留学や起業、アーティストとしての道など、通常の大学生活では得られない経験や知識を身につけられます。
しかし、大学中退は決して軽い決断ではありません。
一度の選択が将来の人生を大きく左右する可能性があるため、慎重な判断と計画が求められます。
②環境をリセットできる
大学は新たな人間関係の形成の場であり、自分を試すステージでもあります。
多くの学生は大学で初めての友人を作り、新しい経験を積みます。
しかし、これがむしろプレッシャーとなり、精神的な困難を感じる学生も少なくありません。
一部の学生にとって、大学生活は期待とは異なるものとなり、新しい環境への適応が困難となるケースが考えられます。
こうした背景から、大学を中退し、環境をリセットするという選択をする学生もいます。
大学中退をすることで、過去の環境や人間関係から一旦距離を置き、新しい場所で新しいスタートを切り、心機一転、新しい環境で新しい自分を見つけようとする学生も多いです。
③授業料を払う必要がなくなる
大学に通わなければ、当然授業料を払う必要もなくなります。
大学の授業料は、多くの学生やその家族にとって重要な経済的な決断点です。
私立大学の場合、この経済的負担は一層増大します。これらの経済的負担は家計における重要なポイントであり、多くの家族が長い期間にわたりこの授業料のための経済計画を立てています。
授業料は教育の品質、大学の設備、研究の進行、施設の維持などに使われますが、高額な支払いの真の価値は、学生や家族の価値観によって異なります。
大学中退することで、授業料の支払いがなくなるという明確な経済的メリットが考えられますが、同時に学歴を得る機会の喪失も意味するため、慎重な決断が必要です。
④社会人経験を早く積める
早期に社会に飛び込むことは、多くの経験を積むチャンスとなります。
大学生活を経ずに直接社会に飛び込むことで、様々な業界や職種における実務経験を早い段階で得られます。
初期の段階での経験は、競争の激しい現代社会においては価値が高いです。
実際の業務を通じて得られる知識やスキルは、学校教育だけでは得られないものが多いです。
しかし、学歴が重視される業界や職種では、大学中退はハンディキャップとなる可能性も否めません。
特定の分野や職種においては、高い学歴が求められるケースもあるため、そのような業界を目指す場合には十分な検討が必要です。
⑤人生を見つめ直すきっかけが作れる
人生には多くの分岐点があり、大学の中退という選択はその中でも特に重大なものとなります。
それは、多くの人々にとって、教育や学びの環境から一歩を踏み出し、新しいフェーズへと移行する瞬間を意味します。
大学中退もその1つです。
多くの学生は高校卒業後、大学への進学を自動的な選択として受け入れる傾向にあります。
それは社会的な期待や、自身の未来に対するある種の安定を求める心理からくる場合もあります。
大学生活を経験する中で、自分自身の価値観や目的、そして夢や希望について考える時間が増え、今までの価値観が変わるケースも少なくありません。
大学中退をすれば、外部のプレッシャーや期待を取り払い、自分の内面と向き合う大切な時間が作れます。
その過程で、何を求め、どのような生き方を選ぶのか、という問いに答えを見つけられます。
これは、単に学業からの離脱という行為を超えた、自分を理解し、人生の意義や価値を再定義する作業です。
自分の心の声を聞き、真摯に向き合うことで、確固たる意思形成に効果的です。
大学中退するデメリット6選
大学中退で得られるのは、上で解説したようなメリットだけではありません。
無視できないデメリットがある点も、覚えておきましょう。
今回は大学中退をするにあたって、覚えておくべきデメリットを6つ解説します。
- 就活の選択肢が狭くなる
- 大卒者と比べて給与が低くなる
- 奨学金の返済が始まる
- 就活に悪い影響を与える恐れがある
- 面接で大学中退の理由を説明する必要がある
- フリーターやニートになる恐れがある
①就活の選択肢が狭くなる
大学を中退した際に直面する問題が、就職の選択肢が狭まる点です。
これは日本の企業が新卒の学歴に重きを置く傾向が強いためで、新卒の採用では、大卒以上の学歴が求められる求人が多いのが現状です。
高等教育を受けている人は、専門的な知識やスキルを持っているとの認識が一般的であるため、多くの企業が新卒採用の際に大卒を前提としています。
中途卒業者は、その選択肢が狭まるリスクを背負います。
もちろん、学歴だけが人の価値を決めるわけではありませんが、最初の門戸である書類選考を通過するのが難しくなる可能性は無視できません。
なかでも大手企業や一流企業での採用は難しく、結果として中小企業や非正規雇用への就職を余儀なくされる場合が多くなります。
とはいえ、大学中退者に全くチャンスがないわけではありません。
企業の在籍期間や人物評価、業界のニーズに応じて、大卒や短大卒として評価されるケースもあります。
ただ、こうしたケースはあくまで例外的であり、中途卒業者自身が自らの能力や魅力をしっかりとアピールする必要があります。
②大卒者と比べて給与が低くなる
給与面でのデメリットも無視できません。
日本の労働市場では、高卒者の平均給与は大卒者よりも低いというデータがあります。
たとえば、2022年の政府統計によれば、高卒者の平均初任給は約180,000円であったのに対し、大卒者は約229,000万円です。
給与の差は、新卒時だけでなく、中途採用や昇進の際にも影響してくる可能性が考えられます。
生涯賃金を考慮すると、大卒者と高卒者の間には6千万円以上の差が出るともいわれています。
これは、大卒者が高いポジションに就く確率が高い、昇進のスピードが速い、高卒者よりも雇用の安定性が高いなど、さまざまな要因が絡み合った結果です。
また、給与だけでなく、福利厚生や待遇、キャリアアップのチャンスなど、職場環境全体が大卒者に有利な傾向があることも忘れてはいけません。
高等教育を受けることで得られる専門的な知識や技術、人脈や経験は、職場での評価やポジションの確保に影響を与えます。
③奨学金の返済が始まる
奨学金制度は、学生が高等教育を受けるための支えです。
しかし、大学を中途卒業すると、この奨学金の返済が待っています。
中途卒業した学生は、手続き停止後の7ヶ月後から返済が始まる場合が多いです。
この場合、卒業を果たしていないにもかかわらず、一定の期間と金額で返していく必要があります。
返済額は奨学金の金額や種類によって異なりますが、利子も発生します。
学生時代に受け取った資金が、中途卒業によって将来の稼ぎとして期待される収入が減少するなかでの返済は、負担になりやすいです。
特に、求職活動が難航する場合や、就職先での初任給が低い場合には、生活費や奨学金の返済に苦しむ可能性もあります。
そのため、奨学金を利用する際は、返済ための綿密な計画が大切です。
④就活に悪い影響を与える恐れがある
大学を中途卒業すると、就職活動において多くのハードルが生じやすいです。
面接官が「この人は何か困難な状況になると途中であきらめてしまうのではないか」と疑念を持つ恐れもあります。
しかし、中途卒業した学生には、その背景にはさまざまな事情があります。
家族の事情、健康上の問題、経済的な困難など、大学中退を決意したなんらかの理由があるはずです。
このような経験や背景を、正面から説明し、自らの強みやこれからの意欲を伝えることで、面接官に与える印象を少しでも良くできます。
⑤面接で大学中退の理由を説明する必要がある
面接官は、求職者の経歴や学歴に興味を持ち、詳しく質問するケースが一般的です。
特に、大学中退という特異な経歴を持つ人は、中退の理由をほぼ確実に質問されます。
大学中退の理由は人それぞれ異なりますが、ネガティブな理由で大学中退をしている場合は、返答に詰まる恐れが大きいです。
面接の中でも大切な質問なので、上手く答えられないと内定獲得が難しくなる恐れもあります。
⑥フリーターやニートになる恐れがある
大学を中途卒業した学生が、卒業後すぐに就職活動を積極的に行わない場合、一時的なフリーターの生活や、さらにはニートとしての生活を選択する可能性が高まります。
中途卒業後の初期の段階では、多くの同世代が大学生活を楽しんでいる中で、生活のリズムや生活費の都合上、アルバイトを選択する人も少なくありません。
また、そうした生活が長く続くことで、正規雇用への移行が難しくなるケースもあります。
アルバイトの経験が積み重なる一方で、就職活動を本格的に始めるモチベーションが低下し、結果的に空白期間が増えるリスクも生じます。
空白の期間が長くなることで、就職活動時に企業からの評価が下がる恐れがあるため、意識的なキャリアプランを持ち、早期の就職活動を始めることが望ましいです。
大学中退したその後におすすめの職種や業界6選
先ほども解説した通り、大学中退をしたその後は、就職先の幅がせばまる恐れがあります。
しかし、就職ができないわけでは決してありません。
ここでは大学中退をした人が、その後正社員として働く上でおすすめの職種や業界を6つ解説します。
- 建設業界
- IT業界
- 福祉・介護業界
- 販売・サービス業界
- 営業職
- 事務職
①建設業界
建設業界は、国内外のインフラを支える重要な役割を果たしています。
新しい建物の建設から、既存のインフラの改修、そして災害復旧まで、業界の業務範囲は幅広く、多岐にわたる職種それぞれが協力して大きなプロジェクトを成し遂げています。
現場の仕事は、体力を必要とするものが多いため、若い労働者には多くのチャンスが開かれています。
大手企業が提供する給与のオファーは、大卒者と変わらないものも多く、新たなキャリアとしての魅力を感じる方も少なくありません。
また、建設業界での仕事は単に力仕事だけではありません。
営業職や事務職、経理といった職種も、建設業界に欠かせないものです。
しかし、業界の仕事はリスクも伴います。
特に、高所での作業や重機の操作など、安全管理が不可欠な業務が多いため、従業員一人ひとりに責任感を持った行動が求められます。
②IT業界
IT業界は、私たちの日常生活やビジネスに欠かせない存在となっています。
スマートフォンやパソコン、そしてクラウド技術など、ITの進化は日々進行しており、IT業界の成長は止まることを知りません。
人材の確保は、業界の成長を支える大きな柱の一つです。
そのため、学歴や経験に関係なく、多くの企業が新入社員を積極的に採用しています。
企業の中には、新入社員の成長をサポートするための研修制度や資格取得の補助を設けているところも少なくありません。
さらにIT業界での経験は、今後のキャリア形成において大きなアドバンテージとなります。
技術の進化に合わせて自らのスキルを向上させることで、高い評価を得られ、更なるキャリアアップが期待できます。
③福祉・介護業界
福祉・介護の業界は、人口の高齢化が進む中でますます重要性が高まっています。
高齢者の方々が安心して過ごせる環境の提供は、社会全体の課題として取り組まれており、この領域のプロフェッショナルは価値のある存在です。
この業界は、人手不足の状況が続いているため、新しい人材を常に求めています。
未経験者でも、熱意と向上心を持って接することができれば、学歴は関係ありません。
入社する際、ケアマネージャーや介護福祉士、社会福祉士などの資格を持っていると、採用に有利です。
しかし、多くの施設や団体は、入社後に資格取得をサポートする制度を持っているため、未資格者でも安心して挑戦できます。
また、福祉・介護の仕事は、物理的な負担だけでなく、心のケアも求められる場合が多いです。
対象者とのコミュニケーションが重要となるため、人間関係のスキルや心の豊かさもこの業界での成功の鍵となります。
④販売・サービス業界
販売・サービス業界は、消費者と直接接するため、日々の変化やトレンドをキャッチし、ニーズに応える柔軟性が求められます。
経験や学歴よりも人との関わりを大切にし、顧客の心を掴む能力が評価されるため、大学中退をした人でも就職しやすいです。
多くの企業では、未経験者や初心者に向けた研修プログラムを実施しています。
エステティシャンや美容師、ネイリストなど、特定の技術を必要とする職種も販売・サービス業界には多いです。
これらの職種では、技術の習得だけでなく、お客様のライフスタイルや好みを理解し、提案する力も求められます。
⑤営業職
営業職は企業の成長を担う重要なポジションです。
営業種は商品やサービスの魅力を顧客に伝え、企業の価値を高める役割を持ちます。
営業活動は多岐にわたり、それぞれの市場や顧客に合わせて戦略を練らなければなりません。
そのため、情報収集や市場分析、そして顧客との関係構築が不可欠です。
特にルート営業は、継続的な関係性構築が重要です。
顧客との信頼関係を維持し、新たな商品やサービスの提案を行うことで、長期的なビジネスに発展させられます。
しかし、成功を収めるためには高いコミュニケーション能力や問題解決力、そして柔軟な思考が求められます。
営業は絶えず変化する市場環境に対応し、新しいアプローチを試みる姿勢が必要です。
⑥事務職
事務職は企業の運営を支える基盤となる職種で、役割は非常に幅広いです。
営業の補助だけでなく、企業の日常的な業務の進行や、経営に関連する情報の管理、取引先とのコミュニケーションなど、多岐にわたる業務を担当します。
一般事務や医療事務、秘書、受付、経理事務、営業事務など、専門性を持つ職種も多数あります。
各職種で求められるスキルや知識は異なりますが、共通してパソコンスキルは重要です。
特にエクセルやワードなどの基本的なソフトウェアの操作は、事務職の業務効率を左右する要素となります。
また、事務職では組織内のさまざまな部門や外部の取引先と連携する業務も多いため、円滑なコミュニケーション能力が必須です。
文書の作成や電話応対、メールのやり取りなど、正確で効率的な対応が求められます。
大学中退者が仕事を見つける上でのポイント5選
大学中退者の場合、仕事を見つけるためにはどのようなポイントを押さえるべきなのでしょうか。
この記事では特に重要なポイントを、以下に5つ挙げました。
- 企業研究をする
- 自己分析をおこなう
- 履歴書を作る
- 面接対策を練る
- 転職エージェントを利用する
①企業研究をする
大学中退後、再び社会に飛び込むとき、企業研究はキャリア構築の一歩となります。
企業研究を行うことで、目指す業界や希望する企業の現在地や将来性を掴めます。
それぞれの業界には独自の文化や特色、価値観があるため、それらを正しく理解することで、自分の適性や志向が業界や企業のどの部分と合致するのか考察しましょう。
さらに、企業のビジョンやミッション、事業内容の理解は、面接やエントリーシートの際の志望動機の具体性を高めるための資料としても役立ちます。
②自己分析をおこなう
自己分析は、自分自身をより深く知り、その知識をもとに適切なキャリア選択をするための手段です。
まず、自分の強みや弱みを正確に把握してください。
過去の経験や学び、特に大学時代に取り組んだことや成果を深く振り返ることで、自分の持っている能力やスキル、価値観を再確認できます。
自己分析の際には、具体的な状況や事例をもとに自分の行動や思考を再構築しましょう。
たとえば、グループ活動やプロジェクトでの役割、成功体験や失敗体験から、自分のコミュニケーション能力や問題解決能力を評価できます。
また、自己分析は一度きりのものではありません。
時とともに自分の価値観や興味は変わっていくものです。
定期的に自己分析を行うことで、自分の成長や変化を実感し、その都度キャリア設計の見直しもできます。
③履歴書を作る
履歴書は、自身の人生やキャリアを端的に伝える最初の一歩です。この一枚の紙に、これまでの人生の集大成が詰まっています。
履歴書作成の際は、写真の選び方、筆記の方法、そして大学中退の事実など、マナーの遵守や内容の正確性が求められます。
学歴に関して、大学中退の事実を明記するのは大切です。
しかし、それだけで終わらせず、中退の背景やその後の経験について端的に触れることで、企業側の理解を深められ、履歴書を読んだ企業側が、あなたの経験や決断の背景に共感しやすくなります。
履歴書には、自己PRや志望動機も記入する場面も多いです。
自己分析の結果を活かし、自分の強みやこれまでの経験、そして企業に入社することでどのように貢献できるかを具体的に記入しましょう。
④面接対策を練る
面接は、履歴書以上に直接的に応募者を知る機会です。
面接官はあなたの知識や経験だけでなく、人としての性格や考え方、コミュニケーション能力をも評価します。
そのため、大学中退という経歴を持つ方は、中退の理由やその後の取り組みについて明確に答えられるよう準備する必要があります。
面接では、自己PRや志望動機、そして中退の理由など、事前に想定される質問への答えをあらかじめ用意しておきましょう。
また、事前準備をすすめる過程で、自己分析や企業研究の結果を取り入れることで、自信を持って面接に臨めます。
また、面接の際の話し方や態度も重要なポイントとなります。
特に、声のトーンや目線の位置、手の動きなど、細かい部分にも気をつかいましょう。
⑤転職エージェントを利用する
転職エージェントは、求職者と企業を結びつける役割を果たすプロフェッショナルなサービスです。
求職者のキャリア形成はもちろん、適職の探し方や転職市場のトレンドについてのアドバイスも提供しています。
転職市場には、様々な業界や職種、企業規模がありますが、その中から自分に合った企業を見つけるのは容易ではありません。
エージェントが持つ企業との繋がりや、長年の経験から得られる知識を活用すれば、一人での転職活動とは比べ物にならないほどのアドバンテージとなります。
大学中退者におすすめの転職エージェント3選
最後に、大学中退をした人におすすめの転職エージェントを3社厳選して紹介します。
どれも優れた転職エージェントなので、ぜひ大学中退のその後の転職活動に役立ててください。
- ハタラクティブ
- DYM就職
- doda
ハタラクティブ
求人数 | 約3,000件 |
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利用料 | 無料 |
得意とする年齢層 | 20代 |
対応地域 | 全国 |
おすすめポイント | ニートやフリーターの人の転職支援が得意 |
ハタラクティブは、20代専門の転職エージェントとして知られています。
利用者の資質や過去の経歴を基に、最適な職を紹介してくれるだけでなく、履歴書の作成指南や面接の戦略についてのアドバイスも提供してくれます。
ブランクがある方や転職への不安を感じている方も、専属のエージェントが手厚くサポートしてくれるので安心です。
ただし、30代以降の転職活動はサポート外となるため、該当する方は他のエージェントを探しましょう。
関連記事:ハタラクティブは評判悪い!?口コミ20件とサービス特徴を徹底解説!
DYM就職
求人数 | 約30,000件 |
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利用料 | 無料 |
得意とする年齢層 | 20代~30代前半 |
対応地域 | 全国 |
おすすめポイント | 求人の質が高い |
DYM就職は、若手層の転職を全力でサポートする転職エージェントです。
初めての転職挑戦や新しい職種への挑戦時でも、エージェントが的確な指導を行ってくれるので、迷いや不安を感じることもありません。
応募から面接の段階、そして内定までの全てのプロセスでのサポートを提供します。
また、個々の適性や希望を考慮した求人の紹介もしてくれるため、求人選びに自信がない方にもおすすめです。
doda
求人数 | 約205,000件 |
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利用料 | 無料 |
得意とする年齢層 | 全年齢 |
対応地域 | 全国 |
おすすめポイント | 圧倒的な求人数 |
dodaは、求人の多さで知られる大手の転職エージェントです。
飲食から建築、福祉といった多岐にわたる業界の求人を豊富に取り扱っており、希望する職種や企業規模のものを見つけやすいのが特長です。
未経験の職種への挑戦や、過去の職歴を活かしたいと考える人も、dodaならば満足のいく求人に出会えます。
さらに、書類作成や面接の技術を磨くための一貫したサポートを提供しており、これにより多くの人が転職を成功させています。
関連記事:dodaは評判悪い!?口コミ27件とサービス特徴を徹底解説!
まとめ~大学中退したその後の進路はさまざま~
この記事では大学中退のその後として、考えられる進路やメリット・デメリットなどを解説しました。
一見ネガティブなイメージが持たれがちな大学中退ですが、その後の人生がどうなるかは個人によって異なります。
むしろ大学中退をしてその後の人生が良くなったケースも、少なくありません。
自分にとって大学中退が良い選択か悪い選択か、よく考えて決断しましょう。