office role 代表 特定社会保険労務士。SEとしてシステム開発に携わった後、IT企業の人事担当として転職。自社の勤怠管理や給与計算のシステム化によりコストを1/5に削減した。独立後は労働基準監督署相談員として様々な労働時間管理や給与計算のパターンの実例に携わった。現在はIT企業の労務管理や、HR領域のクラウド導入支援等を行っている。著書「ITエンジニアの労務管理」(日本法令)DVD「クラウド勤怠管理システム導入」(日本法令)などがある。
テレワーク導入のメリット・デメリットは?導入の問題対策も解説
新型コロナウイルス感染拡大で、現在政府がテレワークを推奨しています。
日本ではあまり普及していないテレワークですが、今後の状況によってテレワークを主体にする企業が増えてくると思います。
今回はテレワーク導入のメリット・デメリットについて解説していきます。
メリット・デメリットを理解して、働きやすい環境を作りましょう。
テレワーク導入は企業と従業員にそれぞれメリットがある
テレワークは企業だけじゃなく、働いている従業員にもメリットがあります。
それぞれのメリットは、仕事効率化アップに繋がるので理解しておきましょう 。
働く人のメリットについて
従業員は物理的なメリットが主体となっています。
自分の会社がテレワークに移行予定の場合、メリットを知っておくと柔軟に対応できます。
新しい体制を否定的に捉えず、テレワークのメリットを見てみましょう。
通勤時間を省くことができる
テレワークの場合、通勤する必要がありません。
通勤時間を省くことによって、時間の余裕ができます。
都心で働いている人は、毎朝満員電車で通勤しています。
満員電車に載るだけでストレスが溜まって、精神的負担がかかります。
テレワークの場合、満員電車に載る必要がないので精神的にも豊かになります。
通勤時のストレスもなく、すぐ仕事ができるので集中することができます。
子育てや介護が必要な人でも働くことができる
子育てや介護しなければいけない人でも、家庭で仕事ができます。
テレワークは勤務地に行く必要がないので、家庭の事情を柔軟に対応することができます。
個人個人に合った勤務体制を立てられるので、仕事もはかどります。
人間関係の不安や不満がなくなる
職場に行って仕事をしないので、人間関係の問題を抑えられます。
不用意に人と接する必要がない為、コミュニケーションが苦手な人も仕事以外で悩む必要がなくなります。
作業に集中できる
個人宅で作業をおこなうので、仕事に集中することができます。
第三者が邪魔をするリスクも減るので仕事効率がアップします。
自分のペースで作業できるので、スムーズに仕事をこなすことができます。
企業側のメリットについて
テレワークは従業員だけでなく、企業にもメリットがあります。
政府は働き方改革に取り組んでいるので、今後テレワーク導入を推奨していきます。
新しい働き方を導入して、メリットを活かしましょう。
災害によるリスクを減らせる
テレワークを導入することによって、災害ダメージを減らすことができます。
もし災害によって会社が物理的損害をうけても、従業員は自宅で仕事をすることができるので職を失うことはありません。
地震大国の日本は、災害のリスクを抑えることが重要です。
離職率が低くなる
テレワーク可能な職場になると、離職率が低下します。
特に女性は、子育てを理由に離職してしまう人が多いです。
テレワークは自宅に居ながら仕事ができるので、離職する要素が少なくなります。
結婚しても仕事を続けたい人にとって、最善の働き方になります。
従業員の満足度がアップし生産性もあがる
子育てしながら仕事できたり、通勤のストレス軽減できたりすることによって生産性があがった企業もあります。
日産は2006年から在宅制度を導入し、従業員の満足度もアップし生産性もぐっとあがりました。
テレワークを導入すると、従業員のプライベートもしっかり確保することができるので
満足度に繋がります。
企業の人気度もあがるので、一石二鳥です。
テレワークのデメリットについて
テレワークのメリットについて説明しましたが、デメリットも存在します。
導入しようか考えている人や、テレワークで仕事をしようとしている人はデメリットを理解し最小限に抑えましょう。
自己管理できない人は作業ペースが遅くなる
自己管理が苦手な人は、作業ペースが落ちてしまいます。
個人作業が多くなるので、自己管理を徹底する必要があります。
企業側もある程度従業員の作業ペースを監視しなければなりません。
時間管理が甘くなる
通勤する場合は出勤退勤がはっきりしていますが、テレワークの場合曖昧になってしまいがちです。
出勤や退勤も個人責任でおこなうので、企業側はしっかりとしたルールを作る必要があります。
セキュリティ管理が難しくなる
会社のみで作業する場合、会社のセキュリティをしっかりしておけば問題ありません。
テレワークはセキュリティ管理が非常に難しくなります。
仕事用のパソコンや書類を自己管理しなければなりません。
企業情報を漏らしてしまう可能性が高くなるので、企業側はしっかりとセキュリティ対策して注意しましょう。
日本はテレワークの復旧率が低い
日本はテレワーク導入率が非常に低い国です。
総務省によると、平成27年のテレワーク導入率は16.2%となっています。
世界的にみても日本のテレワーク普及率は低いため、政府は働き方改革をおこなっています。
テレワークできる仕事が少ない
実際日本は、テレワークできる仕事が少ない問題もあります。
書類の電子化が遅れている日本は、会社勤務しなければいけない人が多くいます。
日本にテレワークを普及させる為には、仕事環境を改善させる必要があります。
従業員管理が難しい
テレワークを導入すると、従業員管理システムが必要となります。
日本ではまだテレワークが浸透していない為、管理するシステムが充分ではありません。
テレワークを導入するには、まず従業員を管理できるシステム対策をおこないましょう。
新型コロナウイルス感染拡大でテレワークに移行する企業が増えた
新型コロナウイルス感染拡大により、4月6日に緊急事態宣言を発令しました。
4月16日には全国に発令され、国民は不要不急の外出を自粛しています。
政府は会社に通勤しなければいけない人を減らす為、テレワークを推奨しています。
政府の動きにより多くの企業がテレワークに移行しました。
緊急事態宣言による企業側の影響
緊急事態宣言によって、多くの企業はできるだけテレワークに移行しましたが問題も多く残っています。
テレワークを導入するには、充分な資金がないと移行できません。
電子化が進んでいない会社は、出勤しなければいけない人が多数存在し導入できないところもあります。
今後テレワークが主体になる可能性
新型コロナウイルスは終息する目処がたっておらず、テレワークが今後主体になる可能性が高いです。
世界規模で感染拡大してしまっているので、企業は一度ワークスタイルを考え直す必要があります。
テレワーク導入する際の問題対策
テレワークのメリット・デメリットを理解し、問題対策をしっかりおこなえば生産性もアップします。
テレワークの問題点を改善する方法を見つけ、解決していきましょう。
従業員管理を徹底する
従業員の作業ペースが下がってしまう場合、会社がある程度監視できるようにする必要があります。
業務日報やビデオチャットなどをつかって従業員管理を徹底しましょう。
従業員側もあるべく作業に集中できるように、作業スペースを確保してプライベートエリアとわけて利用しましょう。
プライベートと混合しないようにする
仕事効率が下がってしまう人は、プライベートと混合していることが多いです。
自宅にいても会社にいても仕事はしっかりこなす必要があるので、プライベートは切り離して作業に集中しましょう。
勤務地と同じ様な環境を作ると作業効率があがる人もいます。
スマホはプライベートを混合させやすいものなので、集中したい時はスマホを遠い場所に置いて作業しましょう。
連絡が必須な人はパソコンで連絡を取れるようにしておきましょう。
ビデオチャットを有効活用しよう
ビデオチャットを有効活用することによって、会議もオンラインでおこなうことができます。
勤務地に行く時間も省けるので、作業効率も自然とアップします。
会議だけでなく、個人の作業状況を把握するためにも利用できるのでビデオチャットは積極的に利用しましょう。
従業員も作業ペースを落とさないように目標をつくろう
テレワークでダラダラしてしまう人は、仕事に目標を持って挑みましょう。
毎日目標を立てて作業すると達成感がうまれ、作業ペースもあがります。
テレワークでだらけてしまう人は、出勤制度でもだらけてしまう可能性があります。
自己管理について一度考え直し、個人でも作業をおこなえるようにしましょう。
テレワークは働き方に柔軟性を与える
テレワークは人材確保にも利点があります。
会社から離れている人でも働くことができるので、企業は色々な人材確保の幅がひろがります。
従業員やセキュリティを徹底して管理する必要がありますが、メリットは大きく作用します。
今後新型コロナウイルスによってどんな状況になるか予想できません。
どんな状況でも業務できるように、テレワークは導入した方が良いでしょう。
テレワークの導入効果について
今回はテレワーク導入のメリット・デメリットを解説しました。
では実際テレワーク導入した企業は、どう思っているのか気になりますよね。
総務省は、テレワーク効果について企業にアンケートをとっています。
非常に効果があった、ある程度効果はあったと回答した企業は82.5%となっています。
多くの企業がテレワーク導入によって良い効果があったと回答しています。
テレワークはデメリットもありますが、正しい対策をおこなうことによって改善できます。
アンケート結果でもテレワークは効果がある働き方と証明されています。
テレワーク導入で企業を進化させる
海外ではテレワークは普通にどの企業も導入しています。
テレワークを導入することによって、海外の目線に合わすことができます。
グローバル化が進んでいる今だからこそ、日本の働き方を変える必要があります。
一気にテレワークを浸透させるのは無理なので、徐々にテレワークできる環境を整えて海外企業に負けない会社を作りましょう。