転勤が嫌!転勤のない会社と業種とは?
業種によって、転勤があたりまえのようにあるものと、まったくないものとあります。転勤があるのには理由がありますが、転勤にはマイナスのイメージを持つ方も多いでしょう。就職や転職を考えている方の参考になれば幸いです。
転勤がある業界
まずは、転職が珍しくない業界から紹介します。代表的なのは金融業界と商社です。どちらも花形的な業種ではありますが、転勤はつきものです。また、業界にかかわらず大手企業は転勤がありえます。新社員はまず地方に配属されて営業として経験を積むということもよく行われます。
金融業界
金融業界というと銀行が代表的でしょう。近年は銀行人気が落ちてきていますが、長い間学生の就職したい業種ランキングでトップを保っていました。銀行は3年周期で人事異動があり、そのたびに転勤の可能性があります。もちろん、ポストによっては支店を回ることがない役職もありますが、基本的に銀行へ就職するのなら転勤の覚悟は必要でしょう。銀行員に転勤が多い理由はいくつかあります。1つ目は経験を積ませることです。勤務先が都会なのか田舎なのかによってその地域の財政状況や景気が違ったり、地域の色があります。その中で仕事をすることで様々な環境で成果を出すことができるようになるのです。2つ目の理由は不正の防止です。これは銀行のビジネスモデル的に仕方がないので、銀行業の形が変わらない限り有り続けるでしょう。詳しく知りたい方はこの先も読んでいただけたらと思います。
まず、企業が事業を行うためにはお金が必要です。その資金の調達方法は直接金融と間接金融に分かれていて、銀行は後者です。前者は株式を発行したり、社債という債権を発行することで、他の企業や個人から直接資金を調達します。株式を発行した場合は毎年利益の一部を配当金として渡し続けます。社債の場合は返還期限まで毎年利子を払い、返済期限に借りていた分を返します。一方で間接金融は、個人が銀行にお金を預け、それを銀行が企業に貸す形での資金調達です。つまり、銀行が仲介役となって企業に資金を渡す形です。この場合、銀行は企業から利子を毎年もらい、その一部を預金者に与えます。日本では間接金融での資金調達が一般的だったので、銀行は膨大な額のお金を扱います。そのため、同じ場所に長く居続けることは不正の温床になりえるのです。
商社
商社は国内外で転勤があります。大手の総合商社の場合、日本全国に営業所が有り、海外にも支店があるので、転勤は一般的です。この理由は、様々な環境で人間関係を構築することがビジネスに繋がったり、世界中の動向について知見を深める必要があったりするからです。私の知り合いでも商社勤務の方は多いですが、国外にいる人ばかりな印象です。フランスやアメリカ、中東など、転職先はバラバラです。
建設業
建設会社も転勤は多いです。想像に難くないと思いますが、大手の建設会社は様々な場所の案件を担当しますから、1つの現場が終わると、次は他県の現場へ、というようなことが有りえます。
国家公務員
癒着を防ぐために、同じ場所には長くいさせないのが一般的なようです。ただ、メリットと言えるかは分かりませんが、国のお金で海外に留学をすることができます。
転勤がない業界
外資系企業
現在就職先として大人気の外資系コンサルティングファームなどの外資系企業は日本支店が東京にしかないこともあります。少なくとも地方に支社を持つことはないので、大都市圏で働けることは確実になります。近年の学生の中では、都内で生活したがために外資系企業を志望する人もいるほどです。もちろんその分、学歴が必要だったり、英語力が求められたりするので、入社までの道のりは険しいです。そのうえ入社後も競争は厳しく、激務が続くことも多いようです。
中小企業
中小企業は支社を持たないことがおおいので、転勤先がそもそも存在しない、という理屈です。日本の企業の大半は中小企業ですから、中小企業に務めることは大切です。現在は地方の過疎化による働き手不足や後継者不足で企業が倒産したり、大手企業が積極的に買収したりで企業の数はどんどん少なくなっています。しかし、地方創生の動きは強くなっており、中小企業向けにデジタル支援をしているソウルドアウトという会社が注目を浴びるなど、活性化の動きもあります。
地方公務員
地方公務員であれば、その地方の中で仕事をしますから、転勤はありません。同じ理由で地方銀行も転職はないでしょう。
製造業
中小企業の工場勤務だと特に転勤はないようです。経験値が上がったほうが作業の効率が上がるとういことも関係しているかもしれません。
経理や事務職
経理や事務は、基本的に務めている場所の仕事を担当しています。そのため、転勤が多いと作業効率・労働生産性が下がることが予想されます。これらの業種では、転勤をするメリットが見当たらないため、転勤がないとも言えるでしょう。