意外に落とし穴?!転職先への通勤時間が長すぎて辛い…
転職先の企業選びの基準として、年収や福利厚生などを思い浮かべる方が多いでしょう。
しかしながら、年収も高くて、福利厚生も充実しており、キャリアアップもさらに望める、こうした優良企業を転職先として選んでしまったら、その先に思いがけない、「通勤地獄」が待っているかもしれません。
せっかく決めた優良企業なだけに、決して「通勤時間が長すぎる」というだけで、簡単にやめるわけにはいきません!
そうは言っても、例えば朝晩のすし詰め状態の満員電車に一時間以上乗ることを数年間、数十年間と繰り返すことの辛さとストレスが簡単に想像できるでしょう。
単身者なら、まだ転職先企業の近くに引っ越すという方法があって、その通勤の大変さをある程度解消できますが、持家で家族持ちの転職者は簡単に引っ越せないから「通勤地獄」を我慢することしかできません。
そのため、せっかく転職をする際に、転職先への通勤時間も考えに入れておいたほうがよいでしょう。
ここでは、転職と通勤時間との関連性を解説していきます。
労働時間は8時間ですが拘束時間はそれより長い
あまりにもブラックな企業を除けば、ほとんどの企業では労働時間は8時間になっています。
8時間労働制は労働基準法が定めている原則で、一日8時間以上の労働は原則「残業扱い」になっており、当然残業手当なども発生します。
しかしながら、毎日の拘束時間は、いろいろな要素で変動します。
まず、8時間の労働以外の残業、そして労働基準法が決めている1時間の休憩、それに会社の飲み会や営業接待などの、仕事関係上に必要なイベントのための時間、最後に通勤時間も含めて、全部拘束時間といいます。
拘束時間がながければ長いほど、当然プライベイトな時間が減っていくわけですので、よいワークライフバランスを保つために、拘束時間をなるべく短くしたいものです。
しかし、残業や飲み会などは、自分がどうしようもない事柄ですので、唯一自分がコントロールできるのは、通勤時間でしょう。
通勤時間の実態を大公開!
それでは、サラリーマンたちの通勤時間はどれぐらい長いか、それについてサラリーマンたちはどう思っているのか、2つの調査をもとに見ていきましょう。
通勤時間の理想と現実
通勤時間の実態に関しては、不動産情報サイト大手の「アットホーム」が、2014年7月に行った「通勤の実態調査2014」が非常に参考になるので、こちらを元にデータをまとめてみました。
この調査は、首都圏在住で都内企業に務めている勤務する子持ちサラリーマン583名を対象に行ったものでなのですが、その結果を簡単にまとめて、以下の通りになります:
- 理想の通勤時間=35分
- 限界の通勤時間=86分
- 平均の通勤時間=58分
以上のデータから見れば、平均1時間ぐらいの通勤時間ですが、やはりそれを30分前後に短縮させることができれば理想的ですね。
実は多くの人は通勤を苦痛に感じている
朝の目ざまし時計で目を覚めると、憂鬱な気分になってしまったことを経験した人が多いでしょう。
さらに、これから1時間ぐらいの通勤地獄を我慢しないといけないことを想像すると、テンションがさらに下がっていっても仕方はありません。
転職サイトの<「リクナビNEXT」の調査によると、実は全体の半数近くの人が通勤を苦痛に感じていることが明らかになりました。そのデータは以下のとおりです:
- 通勤を苦痛に感じる=18.3%
- やや苦痛に感じる=28.1%
- あまり感じない=33.6%
- 感じない=20.0%
さらにデータを首都圏に限定してみると:
- 通勤を苦痛に感じる=24.0%
- やや苦痛に感じる=32.0%
- あまり苦痛に感じない=29.7%
- 感じない=14.3%
やはり都市規模と人口規模の大きな都市圏では、通勤を苦痛に感じてしまうサラリーマンの割合も上昇傾向が見られますね。
通勤であまりにも時間がとられすぎると、余計に疲れてしまって、職場でうまくパフォーマンスができないリスクも十分にあるため、電車以外の通勤手段や家の近くにある企業への転職などを、一考する価値がありそうですね。
採用担当者も実は通勤時間をチェックしている
履歴書には必ず通勤時間という一欄があります。
よく見落とされるところではありますが、企業の採用担当者は実は67%も「常いに確認している」(リクナビNEXT)そうです。
もちろん採用担当者は能力や経験、人柄で採用の可否を決めるのですが、条件の近い応募者が複数いれば、通勤時間の短い応募者のほうが有利でしょう。
なぜならば、通勤時間が長いと:
- 「体力的に辛いという不安」
- 「家が遠いと遅くまで残業できない」
- 「緊急時にすぐ来てもらえない」
- 「会社が出す交通費が高くなる」
- 「遅刻するリスクが高い」
という不安がやはりあるため、採用では不利になるリスクも高いでしょう。
転職するなら自宅近辺の企業から探してみれば
せっかく転職するなら、年収や福利厚生はもちろん、通勤時間も企業選びの基準に入れておいたほうがよいかもしれません。
入社後、「こんなに通勤が通勤が辛かったとは…」というリスクを最大限に排除するために、事前の情報収集が大事でしょう。もしも自分一人で企業情報を収集することに難しく感じてしまったら、専門的転職エージェントに助言してみてはいかがでしょうか。