緊急事態宣言で介護現場の現状は?介護業界はどうなるの?
新型コロナウイルスの蔓延に伴って、「緊急事態宣言」が4月7日に発令され日本ではあらゆる面で危機的状況に陥っています。
さらに2020年4月16日の夜には、今までの宣言対象となった7都府県以外でも感染が拡大されているとして、対象地域が日本全国まで広がる事態になりました。
もちろん私たちの仕事にも影響があり、なかには倒産を余儀なくしたり逆に伸びていく企業だってあります。
さてそんな時、"介護業界"ではどのような影響があるのでしょうか?
今回は介護業界の現状と影響について詳しく掘り下げていきます。
緊急事態宣言が出された今、介護現場の現状は?
2020年4月17日現在、主に介護の現場で起きていることは以下の4つです。
- 施設での感染が大いに進んでいる
- マスクが行き届いていない
- 普通に営業しているがマスクをする職員は一部
- サービスの自粛をしているところも
①施設での感染が大いに進んでいる
【医療崩壊が起きている】広島県三次市では、訪問介護の「デイサービスセンター水明園」新たに17人の感染、計23人に。富山市民病院は16人、同じ病棟の看護師と患者が多い。埼玉の障害者施設「皆成会」で8人。87人の東京など院内感染、施設感染が急増だ。命がかかる。https://t.co/OrIbkry3qT
(引用元ページ:Twitter)
デイサービスや障がい者施設など、介護現場では感染の拡大が進んでいるのが現状。
高齢者や基礎疾患を持った人では重症化のリスクが高いため、高齢者の多い介護施設は感染拡大防止に徹底的な配慮を施さないといけませんね。
(参考:厚生労働省)
②マスクが行き届いていない
ここ最近、介護業界もかなりキツい事になっている。
多くの施設がマスク不足に陥ってるし、職員が私物で賄ってるところも増えているのが現状。
現場で手作り布マスクを使いはじめた職員が増えはじめている中、施設外へ出てみれば使い捨てマスクをつけて歩く人々の姿。解せぬ。
(引用元ページ:Twitter)
介護従事者も大変だと思う。
安い給料で命を預かり、日々感染リスク対策に翻弄。
マスクは足りず、使い捨てを洗って使い回す現状。
感染者が出ても対応する為の物品もろくにない。
メガクラスターになり得る介護施設を軽視している国、日本。 https://t.co/ilrzVGruGg(引用元ページ:Twitter)
医療・看護現場に優先的にマスクが届いていて、介護現場にはマスクが行き届いていない声も挙がっています。
あっても足りることはなく、残っているマスクを使いまわすこともあるようです。
③普通に営業しているがマスクをする職員は一部
介護現場の現状
通所施設で働いています。
現在も普通に営業しているのに恐怖を感じます。
施設は職員と利用者で埋め尽くされ半数の人はマスクを装着していません。
職員と利用者共に感染のリスクが高いので、休業にしてほしいです。
メディアの方取り上げて下さい!宜しくお願いします。#介護
(引用元ページ:Twitter)
感染リスクの高い介護の現場ですが、通常通り営業しているのにも関わらず職員の半数がマスクをしていないところもあるようです。
マスクがない理由としては先ほどのように、看護・医療現場に優先的にマスクが届き、介護現場には供給が行き届いてないことが挙げられます。
④サービスの自粛をしているところも
毎日コロナの恐怖感増す。介護の現場ショートステイ、デイサービス満杯。仕事あるならしかたないが、家にいるなら高齢者を外に出さないで!週三回を二回とか減らせないのか?一人暮らしさせているならこんな時こそ一緒にいようよ。神戸市はデイサービス利用の自粛を出した。正解!危険すぎるのが現状
(引用元ページ:Twitter)
デイサービスなど利用者と職員の会話距離が近く、密閉した換気の悪い空間で人が集まる仕事は自粛の方向に向かっています。
緊急事態宣言を受けて介護業界にはどんな影響がある?
緊急事態宣言によって、介護業界への影響は以下の5つがあると考えられています。
- 一部の介護施設や介護サービスが運営困難に
- デイサービスの休業
- 軽度者の切り捨てが加速する
- 人手不足が解消されていく
- 地方でもスキルアップするチャンス!
一つずつ見ていきましょう。
①一部の介護施設や介護サービスが運営困難に
緊急事態宣言が発令されてしまうと、各都道府県知事は福祉施設の営業自粛を要請できます。
なお要請に応じないとなれば「指示対象」となり、今後感染が拡大して「このままだと危険だ」と都道府県知事が判断した場合、介護施設やサービスを営業できなくなる可能性も大いにあります。
とはいえ現状は自粛の指示に従わなくてもペナルティはありません。
感染拡大の防止や利用者の健康への配慮をしつつも、基本的には自粛要請・指示がない限り通常通り運営されると考えられます。
②デイサービスの休業
デイサービス、いわゆる通所介護となると、先ほど述べたように都道府県知事が営業自粛を要請するケースがあります。
デイサービスは職員と利用者の距離が特に近い仕事で、感染拡大の防止として避けるべき「3密」にしっかり該当しているんです。
※3密…「密閉」「密集」「密接」の3要素のこと。具体的には以下の通りです。
- 換気の悪い密閉空間
- 多数が集まる密集場所
- 間近で会話や発声をする密接場面
避けなければならない3密に該当しているため、多くのデイサービスは今後休業を余儀なくされると考えられています。
むしろ休業すべきとの声も上がっていますね。
デイサービスは即刻休業すべきですね。リスクが高すぎます。
(引用元ページ:Twitter)
③軽度者の切り捨てが加速される可能性も
今回の新型コロナウイルスの影響で、軽度者(要介護の人)はあまり利用できなくなる可能性も考えられるんです。
仮に軽度者で利用できたとしても、企業側・施設側も単価は安くしようと持っていきます。
介護予防のためにサービスを利用しようとしても、それは「不要不急」のものとみなされる可能性があります。
重度の障がい者や認知症の方などが専門的なケアを受ける体制が整うとの見方もあります。
④人手不足が解消されていく
介護業界はもともと人手不足の状態に陥っていましたが、今後解消されると予想されます。
というのも企業が新卒社員を雇用して行く余裕がないところも増えており、なかなか積極採用する空気ではないんです。
そのため福祉以外の分野を学んできた大学生でも、福祉業界に就職する人が増えるとされ、人手不足が解消されるのではとの見方もあります。
⑤地方でもスキルアップするチャンスが増える
介護に関する学会やセミナーは大抵の場合、東京都を中心として開催されてきました。
ですが緊急事態宣言が発令された今では、なかなか東京まで足を運ぶのも難しいですし、そもそも会場を使っての学会やセミナーは廃止・延期に向かっています。
外出や難しい現状なのですが、そんななかオンライン会議ツールが浸透しています。
代表的なもので言えば「Zoom(ズーム)」で、自宅にいながらでも会議ができる優れものです。
このツールをうまく活用することで、地方と都内での情報格差・学習環境が是正され、外出せず介護の学会やセミナーを受けられると予想されます。
介護施設が丸ごと見捨てられる可能性もある
海外では新型コロナウイルスの感染拡大によって、「施設ごと見捨てる」ケースも実際にあるんです。日本でも起きないとはいえません。
新型コロナウイルスにかかったのかどうかも分からす、そのまま亡くなってしまう方もいるとのこと。
残酷な話ですが新型コロナウイルスの影響で、人間が人間の命を選んでいるのが現状です。
まとめ~介護業界のこれから~
序盤でお伝えしたように、これから介護業界は以下のことが起きると予想されます。
- 一部の介護施設や介護サービスが運営困難に
- デイサービスの休業
- 軽度者の切り捨てが加速する
- 人手不足が解消されていく
- 地方でもスキルアップするチャンス!
緊急事態宣言が出されてから悪影響も多いのですが、反面良いことだってあります。
今後介護業界を志望する方は、うまくこの両者を考慮してから就職を検討してみてください。